水戸市立見川小学校
水戸市立見川小学校の新校舎が竣工しました。
新しい校舎は、鉄筋コンクリート造4階建てですが、仕上材に木材(主に杉材)を多用しており、木のぬくもりが感じられる建物です。 規模が大きい小学校ながら、北側の教室にも十分な採光が得られるような大きな開口部や、中庭を周回でくる全体配置、単純になりがちな天井にも木製のルーバーを取り付けるなどの工夫を凝らし、全体的に明るく優しい空間になりました。
外観は、隣接する中学校校舎、共有屋内運動場とはあえてデザインを変えることで、独立感を強調しつつ、色彩は他と共通の色を採用することで一体感も感じられ、周囲と調和するように、工夫をこらしました。 校舎の南側には変化を付け、小学校らしい楽しさのある外観としました。
2017年に設計を始めてから3年半の月日が流れ、その間には平成から令和へ、文部科学省主導によるGIGAスクール、また新型コロナウイルスの蔓延など、社会全体が目まぐるしく変化しました。
学校施設の在り方についても、さまざまな課題が山積した時期でしたが、小学校への教職員の皆様、工事に携わった施工業者の皆さんを始めとする関係者全員の協力により、ひとつひとつ対応していきました。
ほぼ全室に冷暖房を完備し、真夏の熱中症・新型コロナウイルスへの対応をしながら、GIGAスクール構想に基づいたWi-Fi環境も整っています。
各階の床は「ボイドスラブ工法」を採用し、従来の工法と比べて、鋼性や強度、遮音性に優れています。 また、教室のロッカーなども最適なサイズと形状とするため、小学生の持ち物などの調査を行うなど、細部にまで緻密な設計を施し、快適な学習環境を整えることができました。
ぬくもりがありつつも、ニューノーマルの時代にふさわしい学舎となりました。
- 作品名
- 水戸市立見川小学校
- 分類
- 小学校
- 建設地
- 茨城県水戸市
- 構造
- RC造 地上4階
- 延床面積
- 6,768.37㎡
- 竣工
- 2021年3月
- 業務内容
- 改築設計監理
- 設計担当
- 池田洋 清水昂太 鈴木友貴 藤田若菜